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田中日記25編 板橋カップ2025〜当日編〜

いつもの壁が、特別な舞台になった日

朝7時。

目覚ましより少し早く目が覚めた。

思ったより、落ち着いてた。

緊張してるというより、「よし、いくか」って感じ。

ちゃんとスイッチが入った自分がいた。

会場に入って、最初にやったのは協賛品の撮影

前日に届いたアイテムを並べながら、

「ありがたいなあ」と思いつつシャッターを切る。

その横で、スタッフたちが黙々と準備してくれていた。

ピリついてはいない。でも静かすぎもしない。

ちょうどいい温度感で、みんなの動きが噛み合っていく。

本番が始まってからは、もうとにかくマイク。

今年初の試みだった常盤台クラスの決勝トーナメント

スタッフも選手も全員ちょっと混乱気味で、

「りょうくん、次ってどうなるんだっけ?」の声が止まらない。

走りながら喋って、また仕切っての繰り返し。

でも、それが全然嫌じゃなかった。

むしろ、ちゃんと楽しかった。

印象的な場面はたくさんあった。

サカモトパパ

去年からクライミングを初めて今回が初めての板橋カップ。

いつもは陽気な関西おじさんだが、この日は一味違った。

予選、あと1完登で決勝進出。

頑張るお父さんって、こんなにもかっこいいんだな。

サブちゃん

去年、清水町クラスで3位。

今年は1つ上のクラスで、また3位。

決勝1課題目のオンサイトは、本当に見事だった。

しっかり力をつけて、また戻ってきたその姿に、ちょっとグッときた。

かるめん

文句なしの今年のキング。

全完。決勝でも唯一の完登。

ひとつひとつのムーブが説得力ありすぎて、誰も何も言えなかった。

こういう日って、あるんだなと思った。

会場にあったのは、本気と、笑いと、尊敬

アサシンとまあちゃんの対戦。

普段から一緒に登ってる2人が、

いつもの壁で、いつものような課題を、

でも今日は“対戦”としてやってる。

なんだか不思議で、ちょっと笑った。

決勝戦、対戦が終わった後に交わされた握手。

バチバチだったのに、終わればふつうに笑ってる。

でも、あの一瞬にはちゃんとリスペクトが詰まってた。

見てるこっちも、なんか嬉しかった。

終了直後、口から出たのは一言。

とりあえず、一段落。

次の日はキッズの部。

その次からは通常営業。

やることは、まだ山ほどある。

でも——

今日のぶんは、今日できっちり終えられた。

それだけで、もう十分だった。

明けて、翌朝。

キッズの部のはじまりだ。

ワクワクで登場してくる子どもたちの顔を見るたびに、

「昨日のあの熱狂が、次につながってる」

そんな感覚があった。

会場の空気は、前日とは少し違っていたけど、

子どもたちなりの“真剣さ”と“楽しさ”が、壁をちゃんと特別にしていた。

静かな感動だった。

疲れの中に、じんわりと沁みてくるものがあった。

当日を終えて

すごかったのは、課題でも演出でもなく、

参加者たちの輝きだった。

それぞれにドラマがあって、

それがちゃんと目に見えて、空気を変えていった。

この日記を読んで、

「なんか来年出てみたくなったな」って思ってくれたら嬉しい。

「こんなに参加者を思ってくれてるんだな」って、

少しでも伝わったなら、それで十分です。

予告:

【田中日記|常設セット編】

「大会が終わったら、やっと休めるんですか?」

いや、まだ。

コンペは一夜限りの映画。

常設セットは、ここから始まる一年のストーリー。

俺たちの“本番”は、ここからだ。

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