the FACTORY CLIMBING GYM

NEWS

お知らせ

田中日記 27編 Rock Trip in 恵那

こんにちは、りょうです。

今春は肘と指の怪我が続き、外岩には一度も行くことができませんでした。

正直、とても悲しい日々でした。

この秋になってようやく外岩に復帰することができました。

遅ればせながら、今年最初のRock Trip日記です。


 

強者たちと向かった340km。その先にあったものは、仲間の大切さだった。

 

今回は、常連の中でも屈指の強者たちと恵那へ向かった。

2日間を通して、決めきる力仲間の存在の大きさを改めて思い知らされた。

片道340km。

東京から岐阜まではそれなりの旅路だ。集合は朝4時半。

まずは5人分の荷物を1台の車に押し込む作業から始まる。

サブマットの枚数を調整し、向きを変え、隙間を埋める。

もはやテトリスの世界だった。


 

昨年のリベンジならず

 

体力も指皮も新鮮なうちに、まずは宿題へ。

大岩ごけエリアの「イルガ」(三段/V10)

1年ぶりの対面だが、やはりこのルーフは惚れ惚れする。

過去の自分の動画を確認しながら、今の自分に合うようムーブを微調整。

バラしは高精度でまとまり、あとは繋げるだけ。

──のはずだった。

気温は7度ほどで問題なかったが、風が強かった。

思うように集中が乗らず、踏み出すべきタイミングで心が前に出なかった。

三段の同じムーブを何十回も繰り返せば、当然体の同じ部位が削られる。

風が落ち着いた頃には、指皮もスタミナも残っていなかった。

いや、もしかしたらまだ行けたのかもしれない。

ただ、この時は心が負けた


 

グータッチの温度は、どのガバよりも深く残る。

 

仲間は近くの岩で「ナナメジ」(初段/V7)をセッション中。

僕も混ざってみたが、想像以上に悪かった。

120度ほどの傾斜をアンダーで耐えながら上がっていくフィジカル一本勝負。

核心は距離を出すムーブ。しかも僕の場合、足位置が深く絶望感すらあった。

それでも仲間の挑戦する姿を見ているうちに、

「諦めるには早い気がする」と思い直した。

試行錯誤の末、持ち方を変え、レイバック気味にスメアを張って飛び出す方法を発見した。

しかしすでに辺りは真っ暗。宿の夕食時間も迫っており、残り時間は十数分。

腹を決めてのラストトライ。

アンダーパートを丁寧につなぎ、核心へ。

渾身の一手はドガバ。必死に押さえ込んだ。

初めて触るマントルを慎重に処理し、完登

仲間の声援とアテンドが背中を押してくれた。

グータッチの瞬間、思わず笑ってしまった。

「ナナメジ」(初段/V7)


 

安堵の宿タイム

 

宿は「よしだや」さん。僕は初だったが、とても居心地が良かった。

ご飯はおかわり自由、免疫力が上がると噂の温泉あり。

疲労がきれいに抜けていく感じがした。

部屋に戻ってからは、クライミングの話と全く関係ない話を行ったり来たり。

飲み明かしたい気持ちはあったが、ビールとウイスキーを一杯ずつで締めた。


 

イイ男は朝に余裕を持つ

畳の匂いで目を覚まし、温泉、朝食、散歩という贅沢な朝を迎えた。

宿のすぐ外にはダム、陸橋、そして紅葉。

想像以上に居心地が良く、つい長居してしまった。


 

はじめての猪まちエリア

 

この日は猪まちエリアへ。

恵那は取り付きやすい看板課題が多い印象だが、ここは別物。

30分ほど斜面を下り続けるハードなアプローチだった。

最初に触れたのは「にゃんちゅう」(初段/V6)

SDスタートから外形寄りのフラットカチを経て、横ガバへ距離を出すジムナスティックな課題。

仲間から「フラッシュ狙えるよ」と言われ、気持ちが切り替わる。

高さのない岩で仲間の動きを見られたこともあり、思い切りよくムーブを出せた。

核心をそのまま突破し、フラッシュ成功


 

王の壁「ジオランダー」

 

続いて「ジオランダー」(二/三段/V10)

巨大な一枚岩に、ガバアンダーとマイクロカチが配列された“岩の課題”という雰囲気の一本だ。

核心は中盤の極悪カチからのランジ。

岩の状態は最高。挑まずにはいられなかった。

しかし核心で動き出せずフォール。

数トライ粘ったが、届きそうで届かない数センチが埋まらない。

前日の疲労もあり、この課題は敗退。

だが、この一本は間違いなく生涯のリベンジ課題になった。


 

帰れぬ夜

 

夕方前にエンカイ岩へ移動。

スタートから「エンカイ」(1級/V5,6)「カイエン」(二/三段/V10)に分岐する課題だ。

まず1級を触ってみたが、まさかの全く進まない。

2日間ハードに登り続けた指皮は限界に近く、初手の刺さるカチに耐えられなかった。

仲間たちは「痛ぇ〜」と言いながらも解決して核心へ向かう。

僕は指皮の悲鳴で苦戦。

そして気付けば辺りは真っ暗

投光器とヘッデンを出し、完全にナイトセッションに突入。

朝に「今日は明るいうちに帰ろう」と話していたのが嘘のようだ。

撤収まで残り30分というところで、ひらめきが訪れた。

初手のカチを使わず、2手目のフレークに直接入るムーブ。

足位置がタイトだったが、絶妙なポジションを見つけられた。

その勢いのまま通しトライ。

最後のマントル返しまで気を抜けない課題だったが、

最大集中で押し切り、完登

「エンカイ」(1級/V5,6)

駐車場へ戻った頃には20時。

諏訪SAで夕食を取り、板橋に着いたのは深夜2時半。

普段寝ないキャラの人ですら睡魔に負けるほどのハード遠征だった。


 

仲間がいたから踏み出せた一手。

 

遠征を終えて。目当ての課題が登れなかった悔しさは確かに残った。

だが、今回の恵那で強く感じたのは、ひとりでは届かなかった一手があるということだ。

最高のコンディションの岩に触れ、これから追いかけたい大きな目標も見つかった。

それ以上に、仲間の存在が僕の背中を押し、踏み出す勇気をくれた場面がいくつもあった

2日間とも終盤に結果を出せたのは、偶然ではない。

これまでは午前中の流れが一日を左右することが多かったが、

今回は仲間の挑戦や声援に刺激をもらい、心を切らさず踏みとどまり、

最後まで前に出ることができた。

あの場に仲間がいてくれたからこそ掴めた結果が、確かにあった。

今回の遠征を共にした

北村さん、一由さん、淡路さん、野崎さん。

4人のおかげで、愉快で、真剣で、そして自分を一歩前へ押し出してくれるような濃密な2日間になった。

本当にありがとう。

CALENDAR


営業時間
平日 14:00 – 23:00
土日祝 12:00 – 22:00